参考資料:Newton「iPS細胞」 ~クローンES細胞の研究開始~ ・ドリー誕生による、もう一つの発見 ドリーの研究によって、分化した細胞が元に戻ることが明らかになったのだが、もう一つの大きな発見 … [4] 米国大統領生命倫理評議会:ALTERNATIVE SOURCES OF HUMAN PLURIPOTENT STEM CELLS (2005) http://www.bioethics.gov/reports/white_paper/alternative_sources_white_paper.pdf
(「もし体細胞を多能性の幹細胞――胚に由来しないが、胚性幹細胞と機能的に等価のもの(non-embryonic functional equivalents of embryonic stem cells)――に変化させる手法が開発されたなら、倫理的に反対することは何もないように思われる。もちろん、脱分化が(単なる)多能性に留まらず、全能性を持った細胞を生み出すところまで行くならば――結果的にこれはヒトクローン接合子である――、そのような細胞の道徳的地位は深刻な問題になるだろう。同様に、それを生殖目的あるいは研究目的で用いることが許容できるかどうかも、深刻な問題になるだろう。というのは、全能性を持った細胞は、明らかに、単細胞段階の生物であり、上記の手法によって作られたものは多能性幹細胞ではなく胚だと主張する強力な理由があると言えるからである。」) (本文51頁)
成人の皮膚細胞などの体細胞を使用するiPS細胞は、技術的革新によってこの倫理的問題を解決してしまった――より正確には、倫理的問題が「解決」したというよりは、この論点を丸ごと無用のものとしてしまった――ように見える。. ips細胞とは患者さん自身から摂取した体細胞を用いて作られる、es細胞と同等の多能性を持った細胞のことを指します。 患者さん自身の体細胞を用いて作られるiPS細胞は倫理的問題も拒絶反応のリスクもありません。 代表機関:国立大学法人東京大学 代表研究者:武藤 香織(むとう・かおり) 医科学研究所 教授 . STAP細胞に振り回されて STAP細胞問題とはいったい何だったのか? 「事件」ともいえるこの問題にはあまりにも多くの側面があり、一言で表現するのは不可能である。しかしながら、現時点で1つはっきりしていることは、小保方晴子氏だけでなく理化学研究所(以下、理研)幹部を含む当事 … iPS細胞の発見がもたらした「命の再定義」には、 人間の持つ倫理観がきわめて重要な役割を果たす。 iPS細胞の発見国「日本」は、これから世界に向かってこの技術で「やって良いこと」と「やってはならないこと」 について積極的に発言をしていかなければ ならない。 「iPS細胞の問題点」を述べる前に、まず「ES細胞(胚性幹細胞)」について説明させてください。 「iPS細胞のことだけ知りたい」という方は次の項目へお進みください、申し訳ないです<(_ _)> なぜ「ES細胞」を説明するのかというと、 です。 「ES細胞はもう古い」とお考えの方が多いようですが、決して「ES細胞」が性能的に大きく劣っているわけではありません。 「iPS細胞」にしかできないことがあるように、「ES細胞」にしかできないこともまたあります。 「iPS細胞」の特徴=利点を明らかにする … 森実飛鳥 iPS細胞研究所(CiRA)臨床応用研究部門助教、髙橋淳 同教授らの研究グループは、霊長類(カニクイザル)を用いて、iPS細胞から作製した神経細胞を脳に移植し、自家移植(自分自身の細胞を移植すること)と他家移植(同じ種の別個体の細胞を移植すること)における免疫応答 … ヒトiPS細胞は、体細胞に少数の遺伝子を導入することで作られることから、倫理的問題が少ないと考えられてきました。 しかしながら、iPS細胞についても、樹立、研究への利用、臨床応用などの段階で、いくつもの倫理的・法的・社会的課題が生じることが明らかになってきています。 ES細胞は、受精卵から取り出した細胞を培養することによって作られる幹細胞の一つです。無限に増える特殊な能力をもち、なおかつ心臓の細胞や神経の細胞、血液の細胞などのあらゆる細胞を生み出すことができるため"万能細胞"ともよばれています(図1)。しかし、生命の源となるはずの受精卵を壊さなければならないという倫理上の問題や、ES細胞からつくった細胞を移植する場合、移植した細胞が免疫系の細胞によって攻撃されてしまう免疫拒絶反応などの問題がありました。そこで誕生したのが、2… iPS細胞の臨床利用する際の 問題点とその解決策 ・培養中のcontamination ・培養サンプルの取り違え ・造腫瘍性(悪性腫瘍、奇形腫) ・外部遺伝子の導入 →未分化なiPS細胞そのものではなく、ある程度分化させた中間段階の 成人の皮膚細胞などの体細胞に複数の遺伝子を組込むことにより、ES細胞と同等の分化機能を持つiPS(人工多能性幹)細胞を作る技術が、京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授らによって開発された[1]。ライフサイエンス研究におけるブレイクスルーと言える [2]。, iPS細胞によって「倫理的問題や拒絶反応のない細胞移植療法の実現が期待」されると言われる[3] が、ES細胞研究が抱えていた倫理的問題はどこまで克服されたと言えるのだろうか。以下ではクローンES細胞の倫理的問題と比較しながら、iPS細胞研究の倫理的問題を三点述べ、今後のiPS細胞研究を進めて行くうえで内閣府の生命倫理専門調査会などによる倫理的問題の検討となる可能性を示唆する。, 第一に、ES細胞を用いた研究に比べ、iPS細胞研究は、素材の点でも、技術の点でも、容易になった。素材の点というのは、ES細胞研究では卵子や胚を入手する必要があり、それをどこから入手するかが問題になったのと比べて、iPS細胞研究では成人の皮膚細胞のように素材が簡単に入手できるということである。また、技術の点というのは、山中教授自身が述べているように、分子細胞生物学の基本的な技術を持つ科学者ならば、だれでもiPS細胞を作ることができるようになるかもしれないということである。この二重の意味で容易になったのだとすると、十分な研究規制を行なわなければ、容易に悪用される可能性があるということである。研究を無闇に規制する必要はないが、先手の規制を行なわなければ、韓国のファン教授の場合のように、大きなスキャンダルが起きると研究全体を止めることになりかねない。ライフサイエンスの健全な発展のためには、泥縄式ではなく、あらかじめ倫理的問題を検討し対応策を考えておく必要がある。, 第二に、ヒトクローン胚を用いたES細胞研究では、再生医療目的の研究が容易に生殖医療に転用できるという問題があった。すなわち、研究目的で作成したクローン胚を子宮に戻すとクローン人間ができるという倫理的懸念があった。そのため、2001年のクローン技術規制法では、クローン胚を子宮に戻すこと(つまり、生殖目的でクローン胚を利用すること)が禁じられた。クローンES細胞研究の場合とは異なる仕方ではあるが、iPS細胞研究の場合も、理論的には、精子や卵子といった配偶子の作成等を通じて、生殖医療に用いられる可能性がある。だとすると、クローン技術規制法や他の生殖技術関連の規制と整合性のある規制を考える必要があるだろう。この点も含め、科学者や人文社会系の非科学者および政策立案者は、iPS細胞研究が今後われわれの社会にもたらしうる倫理的・法的・社会的問題(ELSI問題)に関して十分に議論しておく必要がある。そうしなければ、いたずらに市民の不安を引き起こすことになりかねないだろう。, 第三に、ES細胞研究が持っていた大きな倫理的問題は、ES細胞を取り出すさいにヒト胚を破壊するということであった。ヒト胚の「道徳的地位」については通常の人間と同じであるとする見解、物と同じであるとする見解、人間と物の中間であるとする見解と意見が分かれるが、仮にヒト胚の「道徳的地位」が通常の人間のそれと同じだとすると、「ある人を助けるために別の人を殺す」ことになる。これがES細胞研究の大きなネックとなり、たとえばアメリカではブッシュ大統領が生命の尊厳の観点から連邦政府によるES細胞研究をストップさせる理由となった。, 成人の皮膚細胞などの体細胞を使用するiPS細胞は、技術的革新によってこの倫理的問題を解決してしまった――より正確には、倫理的問題が「解決」したというよりは、この論点を丸ごと無用のものとしてしまった――ように見える。とはいえ、米国大統領生命倫理評議会が2005年の段階でつとに指摘しているように[4]、仮にiPS細胞がES細胞と全く同じ能力を持つ万能細胞であり、たとえばテトラプロイド(四倍体胚)凝集法[5] によって、少なくとも理論的には100パーセントiPS細胞由来のヒト胚の作成が可能だとすると、iPS細胞の「道徳的地位」は、ヒト胚と同じものと考えなければならない可能性が出てくる。iPS細胞が「生命の尊厳」を有する存在なのか、あるいは研究利用のために作成・廃棄することが許される存在なのか、という哲学的な問いは十分な検討を要するだろう。, 上で述べたように、米国の大統領生命倫理評議会ではすでに2005年の段階でiPS細胞のような体細胞由来の多能性幹細胞ができた場合のことを想定して議論している。NIHも2007年9月の段階でiPS細胞の可能性と問題を論じている[6]。このような準備がなされていれば、研究指針の作成も比較的容易かつ迅速に行なうことができると思われる。, 日本でも、基礎研究、臨床研究に関して行政ガイドラインの作成作業に入ると同時に、内閣府の生命倫理専門調査会などでただちに議論を開始し、iPS細胞の「道徳的地位」、臨床応用における安全性の評価、エンハンスメント利用(治療目的ではなく、長寿や身体能力増強目的での使用)の可能性なども含め、倫理的・法的・社会的観点から見た問題点を洗い出し、文明論的な検討も行ったうえで、大枠での指針作りに着手すべきである。繰り返しになるが、優れた科学技術が開発されても、それを適切に支援・規制する社会的体制がなければ、科学技術の健全な発展は危ういものとなるであろう。(了), [1] 詳しくはJSTのプレスリリースを参照のこと。
なお、この論点については、以下の論文でも詳しく検討されている。 Denker, H.-W. Potentiality of embryonic stem cells: an ethical problem even with alternative stem cell sources. 患者の皮膚などからつくれるips細胞は、生命の萌芽を犠牲にするes細胞に比べ、倫理的な問題がないと歓迎されている。 だが、そこから生殖細胞をつくることは、倫理的に問題だとされている。 先ほども少しお話ししましたが、デザイナーベビーは遺伝子操作によって、自分の理想の子供が生まれるようにすることです。 中には、”目や髪の色を、親の好きな色に変える“と言う方もいますが、この遺伝子操作の医術を使えば、遺伝性の病気を持っている親が、自分の子供に遺伝することを恐れず、子供を望めるようになれるのはとてもすてきだと思います。 日本では、今現在も遺伝子操作の先駆けとなる、”遺伝子検査“が始まっています。 遺伝子検査は、不妊治療の際に行われる検査で、母親の胎内に … For a totipotent cell is, arguably, an organism at the unicellular stage, and a strong case could be made that the product is not a pluripotent stem cell but an embryo.' ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功
ES細胞. 色素細胞 iPS細胞から色素細胞を開発 慶應義塾大学 網膜色素上皮 サルのiPS細胞から網膜色素上皮細胞を作成し、サルの目への移植に成功 理研 心臓 iPS細胞から心筋細胞を高効率で作成 京都大学 気管 iPS細胞を用いて気管軟骨を再生 福島医大 精子 iPS細胞. 「再生医療 危うい倫理」と 11日付東京新聞が1面トップで報じた。山中伸弥・京都大学教授のノーベル賞受賞で注目が集まるiPS細胞の応用に対して警鐘を鳴らしている記事だが、「倫理上の問題」を言うのであれば、霊的な観点をもっと知る必要があるだろう。 女性から提供された卵子に他人の皮膚細胞の核を入れる「体細胞クローン技術」を応用して、体の様々な組織に分化するヒトの胚性幹細胞(es細胞)を作ることに成功したことを、米オレゴン健康科学大学の科学者グループが15日、米科学誌「セル」の電子版に発表した。 [5] テトラプロイド(四倍体胚)凝集法とは、「キメラ胚形成法の一種であるが、テトラプロイドという(通常のデプロイド(二倍体胚)ではない)胚または細胞を補助的に用いることにより、テトラプロイドは胚外細胞(胎盤栄養膜細胞など)のみを形成し、生れてくるマウスの身体の形成には寄与しない」とされる (Denker, 注4の論文より)。そのため、もしこれがヒトでも可能であるとするならば、「ヒトES細胞は、その細胞株がテトラプロイド凝集法によって胚を形成することができないと示されないかぎり、潜在的なヒトと見なさなければならない」可能性がある(同上)。, [6] National Institutes of Health: Expanding Approved Stem Cell Lines in Ethically Responsible Ways (2007) http://stemcells.nih.gov/staticresources/policy/eo13435.pdf, http://www.jst.go.jp/pr/announce/20071121/index.html, http://www.bioethics.gov/reports/white_paper/alternative_sources_white_paper.pdf, http://stemcells.nih.gov/staticresources/policy/eo13435.pdf. http://www.jst.go.jp/pr/announce/20071121/index.html. 'There would seem to be nothing to object to ethically if procedures were developed to turn somatic cells into pluripotent stem cells, non-embryonic functional equivalents of embryonic stem cells. これにより、ヒトes細胞、ヒトips細胞、ヒト組織幹細胞(体性幹細胞)から生殖細胞を作製する研究が一定の要件下で認められることになりました。 IPS細胞の問題点、課題について教えてください 今回の申請点の問題は動物の細胞で人の臓器が創られるってことです。キメラが出来る危険性がありますから、反対意見があるのです。倫理問題に発展しそうですが世界では早くから始まっていることから日本も遅れをとるまいと認可されそうです。 が変性せずに働く可能性もあるので、iPS細胞 で治療するということも考えられるが、現在は 視細胞移植に関してはES細胞由来の方が適し ているかもしれない。 3.倫理的な問題の回避 iPS細胞が倫理的問題を解決したと言われる 混ぜる人の細胞には、さまざまな組織になる人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使う。 体の失った機能を回復させる再生医療では立体的な臓器を作る技術も必要とされ、動物の体を借りる方法は、その一つになり得るとして研究が進んでいるが、倫理的な課題も多い。 一方、iPS細胞は、既にヒトに成長したカラダの細胞(皮膚や血液など)から作製されます。 ES細胞もiPS細胞のどちらも研究が盛んに行われており、それぞれにメリットとデメリットが 存在していることに注意が必要です。 ¥æ é¤ãæ°´åè£çµ¦ã®ç¶æã¨ä¸æ¢, 34.å®æ¥½æ»ã¨å°å³æ»ã®æ³å¶åã®ç¾ç¶. English. ES細胞の問題点. Of course, if the dedifferentiation were pursued beyond (mere) pluripotency to the point of yielding a totipotent cell?in effect, a cloned human zygote?the moral status of such a cell would become a serious issue, as would the permissibility of using it either for reproductive or for research purposes. 英語版. iPS細胞とは? 「iPS細胞(人工多能性幹細胞)」は山中教授が2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞したことによって再注目されました。 幹細胞という名の通りどのような組織や内臓へも分化することが可能な細胞で、万能細胞とも呼ばれています。 皆さん、こんにちは。特派員のT.H.です。日本CSO協会のWebサイトにご来訪いただき、ありがとうございます。 今年3月に、理化学研究所などの研究グループが神戸で、他人由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた世界初の移植手術を行い、世間の注目を集めました。 iPS細胞は英単語の「induced pluripotent stem cells」より頭文字をとった名称です。 日本語で正式名称を表すと「人工多能性幹細胞」(じんこうたのうせいかんさいぼう)と呼びます。 pluripotentとは科学用語では「多能性」を指す単語です。 あらゆる細胞や組織に分化する可能性を秘めた「stem cells」(幹 … 体外発生技術の研究と倫理的課題 遠矢和希 (奈良県立三室病院付属看護学校非常勤講師) はじめに 生殖補助医療(art)の進歩によって、多くの不妊女性とパートナーが自らと血のつな がった子どもを得られるようになった。 2015/1/21 1 es細胞とiPS細胞 問題点と未来 「初期化」生命の常識変えた山中・ガードン両教授10日,ノーベル賞授賞式 朝日新聞(本紙記事より) 2012年12月6日 ノーベル賞決定後,初めて … Journal of Medical Ethics 2006 November; 32(11): 665-671. http://www.jst.go.jp/pr/announce/20071121/index.html (H19.11.21), [2] もっとも、iPS細胞が臨床研究で用いられるためには、発がん性の問題の克服など安全性の確立が必要である。また、再生医療等に関して、クローンES細胞と同じだけの役割を果たすかどうかは未知数であるため、当面は並行してES細胞研究も続けなければならないと思われる。, [3] ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功
ES細胞は内部細胞塊を用いて作られるため、本来であれば人間に成長できたはずの命の芽を摘み取ってしまうという倫理的な問題があります。. これまで、京都大学大学院医学研究科および東京大学大学院医学系研究科・ 医学部 以上の経緯を経て今日がある幹細胞の利用を巡って、倫理的に問題となるのは、以下のような点であろう: 1)ips細胞がある今、生命の萌芽を犠牲にするes細胞研究(新たな細胞株の樹立)は、抑制ないし中止するべきか。 ES細胞の問題点. 山中伸弥教授が所長を務める京都大学 iPS細胞研究所では、iPS細胞作製技術を用いて創薬、新しい治療法の開発、病気の原因の解明や再生医療への応用を実現するための研究を行っています。 単細胞生物であるアメーバやゾウリムシも、無性生殖で増えている限り単一のクローンである。クローンは均一な性質を持っているので生活環境が変化した場合、全部が死滅してしまうか、別のクローンと有性生殖をして遺伝子を交換することによって生き残りを計るほかない。 iPS細胞確認クイズ. ・不死化した株化細胞であり、一つの細胞株を無限に培養し続けることが可能(細胞のバンク化、均質な製品を 大量製造が可能)。 問題点) ・受精卵の滅失をともなう(→ソースの問題、提供時には倫理的な問題が生じないよう、厳密な対応が必要)。